日本教育史学会

日本教育史学会は1941年から毎月の例会を開始し、石川謙賞の授与と日本教育史学会紀要の刊行を行う、日本の教育の歴史についての学会です。

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2017年11月25日(土) 第617回例会:橋本昭彦氏【プログラム・ノート】

2017年11月25日(土) 第617回例会:橋本昭彦氏【プログラム・ノート】

日時:2017月11月25日(土曜日)午後3時から5時

会場:立教大学 池袋キャンパス 太刀川記念館 第1・2会議室
   〒171-8501 東京都豊島区西池袋3-34-1

アクセス:「池袋駅」下車 西口より徒歩約7分

プログラム:アメリカ小学試験情報の日本的受容の事例的考察―天野皎『下等小学諸科試験法』の発刊事情―
橋下 昭彦 氏(国立教育政策研究所)

【プログラム・ノート】
 アメリカの教師用図書シリーズとして定評のあった”Teacher’s Library”の一巻に、Issac Stone の”The Elementary and the Complete Examiner”という書物がある。中身は、教師が備えるべき知識を盛り込んだ問題集の相を呈しているが、1864年の初刊以来、1868年、1873年と版を重ねた書物である。
 日本では、1872年の「学制」施行以降、各府県では小学校に試験制度を導入すべく、相次いで「小学試験法」などの名称によって試験制度の規則を制定した。そうした中、1875年に大阪師範学校の訓導・天野皎(あきら)は、自著『下等小学諸科試験法』が「コムプレートエキザミネル」と題する書より訳出するものである旨を明らかにした。Stoneの原著は、明治政府によって収集され、文部省交付の印のあるものが国会図書館に収蔵されていて、両書を見比べるとなるほど原著と訳書の関係と言える。
 本報告では、両書の成立背景を調査・比較して、『下等小学諸科試験法』の発刊が持つ教育史的な意味を解き明かしてみたい。
〔橋本昭彦氏 記〕

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