<第640回例会>
日 時:2021年2月27日(土曜日) 午後3時~5時 (オンラインで実施)
参加事前登録の締め切り:2021年2月24日(水曜日) 午後11時59分
プログラム:研究の経過と展望:「土地」に紐付く(囚われる?)歴史研究を顧みる」
研究発表者:塩原 佳典 氏
【プログラム・ノート】
昨春、第30回石川謙賞をありがたく頂戴した。自分には全く過分なことで、身が引き締まる思いである。日本教育史学会のみなさま、そしてこれまでご助言やご批判をくださったみなさまに、まずは御礼を申し上げたい。
本報告は、このたびの受賞にあたり、私のこれまでの研究と今後の展望について論じる機会を与えられたものである。
まずこれまでの研究として、以下の4テーマを紹介したい。
①幕末維新期の地域社会における教育近代化と名望家層の動向
②筑摩県にみる就学告諭の論理と実態:『説諭要略』(1874年)の捉え直し
③明治期の松本地方における公立病院・医学校史:医療環境をめぐる「公」の行方
④幕末維新期信州高島藩の学制改革:在村国学の地域社会史
次に現在取り組んでいる課題として、以下の4テーマを紹介したい。
①学校所蔵文書の研究:高島小学校にみる地域と学校の関係史
②筑摩県下博覧会の捉え直し:「附博覧会」をめぐる願出と許可
③幕末維新期の議事機関における「公議」の形成:松本藩の議事局から筑摩県の下問会議へ
④昭和初期農本主義教育運動の社会・思想史:和合恒男の「瑞穂精舎」
私はこれまで、信州をフィールドとした研究に取り組んできた(おそらくこれからも)。そこで最後のまとめにかえて、こうした「土地」に紐づく(囚われる?)研究を続けていくことについて、若干の考えを述べてみたい。
本報告のとりわけ後半では、つい最近勉強を始めたばかりで、論旨はもとより問いすらあいまいなテーマも少なくない。ひとまずの話題提供として、ご参加のみなさまからコメントをいただければと願っている。
〔塩原佳典氏 記〕
第640回例会(オンラインで実施):塩原佳典氏の研究発表【プログラムノート】
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