*日 時:2025年1月25日(土曜) 午後3時~5時 (対面で実施)
*会 場:学習院大学 北一号館2階教育学科模擬教室
*プログラム:『明治前期の国家と地域教育』を刊行して
荒井 明夫 氏
司 会 大戸 安弘 氏
【プログラム・ノート】
報告者は、2024年11月に『明治前期の国家と地域教育』(吉川弘文館)を刊行した。これまでの報告者による研究成果は『明治国家と地域教育-府県管理中学校の研究』(2011年、吉川弘文館)と、編著に『近代日本黎明期における「就学告諭」の研究』(2008年、東信堂)、また川村肇氏との共編著『就学告諭と近代教育の形成』(2016年、東大出版会)、がある。後半2著は、いずれも第一次及び第二次就学告諭研究会による共同研究の成果である。
今回刊行した『明治前期の国家と地域教育』は、そうした共同研究の成果および、共同研究1880年代教育史研究会と就学史研究会での、二つの共同研究の成果をさらに採用した。
その意味で、報告者にとってこれまでの研究の集大成の意味をもつ内容である。
やや具体的に内容に即して述べると、まず第一に前著『明治国家と地域教育-府県管理中学校の研究』で残した課題である文部大臣管理鹿児島高等中学造士館と、文部大臣管理山口高等中学校研究を、『明治前期の国家と地域教育』の第三部に5本の論文で配置したこと、である。第二に(共)編著として刊行した就学告諭研究の成果および、共同研究である就学史研究会の成果を採用したこと、にある。
本報告では、前著である『明治国家と地域教育-府県管理中学校の研究』と『明治前期の国家と地域教育』との研究視点と方法を確認し、後者の成果を明らかにする。その上で、後者の自己評価(総括)と残された課題を明確化する中で、今後の近代日本教育史研究の課題を明示したい。
〔荒井 明夫氏 記〕