<第677回例会>
*日 時:2025年3月22日(土曜日) 午後3時~5時 (対面で実施)
*会 場:学習院大学 北一号館2階教育学科模擬教室
*プログラム:韓国近世教育史と韓国識字史研究
川村 肇 氏
司 会 大戸 安弘 氏
【プログラム・ノート】
韓国の近世教育史(李氏朝鮮時代教育史)は、渡部学『近世朝鮮教育史研究』(1969年)の出版以降、長い間日本に紹介されることがなく、日韓の間で近世教育史研究の交流が行われることもほとんどなかった。同様に識字史に関する研究も、同じ中国漢文文化圏から出発している両国であるにもかかわらず、研究交流はなかった。
報告者はこの間、自分の研究の一部をハングル訳するとともに、韓国の近世教育史および識字史にかかわる研究を翻訳、紹介してきた。
本報告では、(1)韓国近世教育史の特徴について、科挙採用による、学校教育の体制化、②儒教文化および文人政治による儒学者の政治参加と政治運動と学校教育、③教育史関連使用資料について述べ、(2)識字史に関連して、①漢文の訓読の特徴、②ハングル創製とその普及について紹介し、(3)韓国近世史の中の、①書院研究、②初等教育教材研究などについて韓国の研究成果を紹介する。なお、この間に報告者が翻訳した韓国教育史関連の翻訳論文は、獨協大学国際教養学部紀要『マテシス・ウニウェルサリス』に掲載されている。
(川村 肇氏 記)