日本教育史学会

日本教育史学会は1941年から毎月の例会を開始し、石川謙賞の授与と日本教育史学会紀要の刊行を行う、日本の教育の歴史についての学会です。

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2013年10月26日(土)第583回例会:石川衣紀氏【プログラム・ノート】

2013年10月26日(土)第583回例会:石川衣紀氏【プログラム・ノート】

日時:2013月10月26日(土曜日)午後3時から5時

会場:謙 堂 文 庫  「池袋駅」「目白駅」下車 徒歩約7分

〒171-0021 東京都豊島区西池袋2-21-15

プログラム:「戦前における鈴木治太郎の「適能教育」論の研究―子どもの「生活と教育の貧困」と特別な教育的配慮のシステム開発―」

石川 衣紀 氏(白梅学園大学子ども学部)

司  会:高橋 陽一 氏

【プログラム・ノート】 本報告は、報告者の博士論文に基づくものである。報告者はこれまで、鈴木治太郎(すずき・はるたろう、1875~1966)が戦前期の大阪市において着手した教育改善事業や小学校の特別学級編制などの一連の小学校教育改革の取り組みが、当時の子どもの抱える「生活と教育の貧困」問題に対する特別な教育的配慮の実践とシステムの開発であり、その理論的支柱としての「適能教育」論の構築であったことを明らかにしてきた。
「鈴木・ビネ式知能検査法」の開発者として知られる鈴木だが、彼が生涯になした活動は大阪府師範学校附属小学校「特別教室」における学業不振児教育の実践、知能検査法の開発と標準化、大阪市特別学級編制の計画と施策の実施、大阪市立児童教育相談所および大阪市立思斉学校(日本で最初の公立知的障害学校)の設置・運営と非常に多岐に渡る。鈴木のこのような一連の活動を通し、彼を子どもの生活と教育における多様な「貧困」に対応した特別な教育的配慮のシステム開発に努めた人物として捉え直すことが主たる研究目的の一つである。
上記をふまえながら、①鈴木が特別な教育的配慮のシステム開発にどのように取り組んだのか、②その理論的支柱として構築した「適能教育」論の構造、について報告を行う。

〔石川衣紀氏 記〕

*今例会で司会の労をとってくださる高橋陽一氏は武蔵野美術大学教授、本学会の理事です。

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