日本教育史学会

日本教育史学会は1941年から毎月の例会を開始し、石川謙賞の授与と日本教育史学会紀要の刊行を行う、日本の教育の歴史についての学会です。

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2013年12月28日(土)第585回例会:大森秀子氏【プログラム・ノート】

2013年12月28日(土)第585回例会:大森秀子氏【プログラム・ノート】

日時:2013月12月28日(土曜日)午後3時から5時

会場:謙 堂 文 庫  「池袋駅」「目白駅」下車 徒歩約7分

〒171-0021 東京都豊島区西池袋2-21-15

プログラム:「近代日本における成瀬仁蔵の教育史的位置―宗教と教育の観点から―」

大森 秀子 氏(青山学院大学)

司  会:天野 晴子 氏

【プログラム・ノート】 本報告は、博士論文「多元的宗教教育の系譜に関する研究―アメリカ教育と成瀬仁蔵の『帰一』の教育―」(2010年2月論文博士学位取得)の一部をなす成瀬仁蔵研究を紹介し、その後の継続研究もあわせて報告する。

成瀬仁蔵(1858-1919)は日本の女子高等教育のパイオニアとして有名であるが、帰一運動を推進したことは意外に知られていない。本報告では博士論文に従って、武士道にキリスト教を接木した日本人キリスト者の一人である成瀬が、アメリカ宗教思想との接触を通して宗派を超えるリベラルなキリスト教に転じ、トランセンデンタリズムを経由して帰一しそうに到達したことを明らかにする。加えて、成瀬の着手した日本女子大学校設立運動から帰一運動展開の時期が、ちょうど1899年の文部省訓令第12号による宗教教育禁止から1935年の文部次官通帳「宗教的情操ノ涵養」への移行期にあたることから、帰一教会における宗教教育論議を取り上げ、その議論を日本教育史のコンテクストの中で今一度検討し、成瀬の教育史的位置を吟味したい。

〔大森秀子氏 記〕

*今例会で司会の労をとってくださる天野晴子氏は日本女子大学教授、本学会の理事です。

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