日本教育史学会

日本教育史学会は1941年から毎月の例会を開始し、石川謙賞の授与と日本教育史学会紀要の刊行を行う、日本の教育の歴史についての学会です。

日本教育史学会事務局

〒112-8681
東京都文京区目白台2-8-1日本女子大学

人間社会学部現代社会学科上田誠二研究室気付
TEL 03-5981-7531
【半角文字】ahsej@
ahsej.com

2013年9月28日(土)第582回例会:樋浦郷子氏【プログラム・ノート】

2013年9月28日(土)第582回例会:樋浦郷子氏【プログラム・ノート】

日時:2013月9月28日(土曜日)午後3時から5時

会場:謙 堂 文 庫  「池袋駅」「目白駅」下車 徒歩約7分

〒171-0021 東京都豊島区西池袋2-21-15

プログラム:「『神社・学校・植民地』の縦軸と横軸―三者を結ぶ意味―」

樋浦 郷子 氏(帝京大学)

司  会:高橋 陽一 氏

【プログラム・ノート】  報告者は本年3月に『神社・学校・植民地 逆機能する朝鮮支配』(京都大学学術出版会)を刊行した。本報告は、博士学位論文(2011年11月学位取得)にもとづく同著書の問題意識と得られた成果について紹介するものとなる。
植民地の神社を語る場合、「皇民化政策」にもとづいて「過酷な参拝強要」が行われたという叙述が一般化している。報告者は、こうした概念化によりこぼれてしまう多くの史実と実態とを掘り起こしたいと考えた。
報告者がこのように考えるに至った背景には、報告者の教員としての経験が影響している。学校という場所では、自らの身体にかかわる諸権利が、かなりの程度制限されており、児童生徒はそれを当然と思いこむように「教育」されている。いわば「身体の自決権」を(ある場合には自らすすんで、またある場合には無意識のうちに)身ぐるみ他者に譲ることを是とする大がかりなシステムである。
こうした経緯もあり、植民地の教育と神社参拝を、統治政策・文教政策よりも、学校一般の持つかかる特質という視角から眺めてみることを意識するようになった。
報告では、研究の端緒から、著書を経て本研究がどこへ向かおうとしているのかということも含め、時間軸と空間軸を広げて話をしたいと考えている。

〔樋浦郷子氏 記〕

*今例会で司会の労をとってくださる高橋陽一氏は武蔵野美術大学教授、本学会の理事です。

« »