日時:2014月6月28日(土曜日)午後3時から5時
会場:謙 堂 文 庫 「池袋駅」「目白駅」下車 徒歩約7分
〒171-0021 東京都豊島区西池袋2-21-15
プログラム:「教育史学における岡山孤児院研究の課題とその意義」
稲井 智義 氏(東京大学大学院教育学研究科博士課程)
【プログラム・ノート】 岡山孤児院(1887-1926)は日本で初めて「孤児院」の名を掲げた、教育機関であり、子ども福祉施設である。既に二十年以上、福祉学者が一次資料を整理しながら研究しているこの施設を、教育学者が改めて研究する意味は何か。この問いに応えるためには、教育史学における岡山孤児院研究の課題を示す必要があろう。そこで本報告は、つぎの二点を主題とする。
第一は研究史の検討であり、それは二つに分けられる。はじめに、教育史学は院をどのように扱ったか、あるいは、院の教育に注目する研究の成果は何かを検討する(たとえば武田清子)。つぎに、教育史学に岡山孤児院を研究するための土壌が、どの程度あるかを検討する(初等教育史では佐藤や土方、家族史では小山や沢山など)。
以上の教育史学史を含む検討を経て第二の主題として、岡山孤児院での教育の実像を示していく。ここでは、報告者の既刊論文、および近刊論文と院との関連も補い、さらにその他の院関連資料を用いて、院の実像とその外延を明らかにする。以上を通じて本報告では、教育史学における岡山孤児院研究の課題とその意義を、暫定的にせよ示したい。〔稲井智義氏 記〕