日本教育史学会

日本教育史学会は1941年から毎月の例会を開始し、石川謙賞の授与と日本教育史学会紀要の刊行を行う、日本の教育の歴史についての学会です。

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2015年2月28日(土) 第597回例会:塚原健太氏【プログラム・ノート】

2015年2月28日(土) 第597回例会:塚原健太氏【プログラム・ノート】

日時:2015月2月28日(土曜日)午後3時から5時

会場:謙 堂 文 庫  「池袋駅」「目白駅」下車 徒歩約7分

〒171-0021 東京都豊島区西池袋2-21-15

プログラム:大正新教育期の唱歌専科訓導によるカリキュラム開発

塚原 健太 氏(日本学術振興会特別研究員DC)

【プログラム・ノート】

報告者は、大正新教育期において先駆的な取り組みを行った唱歌専科訓導の事例研究を進めていることを通して、当時の唱歌専科訓導のカリキュラム開発の実態と、それを支える要因を明らかにすることを博士論文の研究課題としている。

大正新教育期の唱歌科を対象とした先行研究では、訓導による指導方法の開発実態とその特質を解明することが主であった。そのため大正新教育期の唱歌科は、大正新教育や芸術教育運動などの児童中心主義の影響を受けながら、教科主義の特質を有せざるを得なかったことが指摘されてきた。しかし、こうした指導法レベルでの特質は、必ずしも訓導の意図とは一致しておらず、訓導がどのような意図を持って実践を展開したのかを解明することが必要である。そこで新教育思想の受容・解釈から授業での実践に至るまでのすべての過程を明らかにすることができるカリキュラムの視点に基づき、実証的な研究を進めている。本報告では、博士論文の全体的な枠組みを報告するとともに、いくつかの訓導を事例として取り上げることで、大正新教育期の唱歌専科訓導によるカリキュラム開発の実態と特質について言及したい。

〔塚原健太氏 記〕

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