日本教育史学会

日本教育史学会は1941年から毎月の例会を開始し、石川謙賞の授与と日本教育史学会紀要の刊行を行う、日本の教育の歴史についての学会です。

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2015年6月27日(土) 第601回例会:小川智瑞恵氏【プログラム・ノート】

2015年6月27日(土) 第601回例会:小川智瑞恵氏【プログラム・ノート】

日時:2015月6月27日(土曜日)午後3時から5時

会場:謙 堂 文 庫  「池袋駅」「目白駅」下車 徒歩約7分

〒171-0021 東京都豊島区西池袋2-21-15

プログラム:子どもの道徳的環境―伊香保日曜学校事件を中心として―

小川 智瑞恵 氏(東京大学文書館)

【プログラム・ノート】

報告者は、近現代史が「世俗化」にとらわれすぎてきたのではないかという問いかけがなされている現在、キリスト教の教育観に着目して研究に取り組んでいる。近代日本の教育がヨーロッパとアメリカの教育の影響を受けてきたことに関する研究は進められているものの、教育文化史・交流史の観点からヨーロッパとアメリカの教育の背景にあるキリスト教育の教育観の理解は充分ではなかった。そこで日本において東京女子大学や国際基督教大学の創立という成果をもたらしたキリスト教の教育観が顕著になっている20世紀前半の現代エキュメカル運動における世界宣教会議を研究対象としてきた。

今回は、1912年に群馬県の伊香保町の小学校で起きたキリスト教の日曜学校事件を取り上げる。明治初期より群馬県ではキリスト教の摂取・布教が積極的になされ、自由民権運動や矯風運動が展開された。日曜学校に反対するグループ、事件への行政側の態度、安中教会牧師の柏木義円の見解から、この事件によって子どもの人間形成の教育的基盤に政教分離と良心の自由が必要不可欠であることが示されたことを読み解いていきたい。

〔小川智瑞恵氏 記〕

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