日時:2016月9月24日(土曜日)午後3時から5時
会場:立教大学 池袋キャンパス 12号館2階会議室
〒171-8501 東京都豊島区西池袋3-34-1
アクセス:「池袋駅」下車 西口より徒歩約7分
プログラム:戦後日本の地域と教育―京都府奥丹後から栃木県南地域へ―
小林 千枝子 氏(作新学院大学)
【プログラム・ノート】
「書は人なり」ということばがあるが、私は「研究は人なり」と考えている。本発表では、まず私自身の研究者としての来し方を語ることからはじめたい。教育学は教育実践を研究する学問で、自分自身も実践者の一人であるというスタンスでやってきた。
2014年に単著『戦後日本の地域と教育―京都府奥丹後における教育実践の社会史―』を公刊した。同書で明らかにしたことに加えて、その後、栃木県南地域をフィールドにした調査研究でわかってきたことも報告する。
1.教育史研究に社会史の方法を導入することの意義
基底としての人口動態誌/政治史・制度史ではとらえきれないことがらへの視点/日常物質文化史資料/史資料の重要性/聞き書き調査の手法
2.「地域と教育」の転換期としての高度成長期
地域と家族の人間形成のあり方の変貌/過疎と過密問題の青少年の将来展望への影響
3.奥丹後の教師たちの転換期への対応
学校統廃合反対運動/「地域にねざした教育」/「目標学習」の構想と実践/地域住民の環境づくり運動/到達度評価/背後にあった政治環境としての革新府政
4.設置後わずか11年で統廃合になった栃木県下都賀郡の2中学校の調査研究から
市町村合併の学校統廃合への影響/大きい学校が良いという発想へ
5.栃木県における口述の戦後教育史へ
〔小林 千枝子氏 記〕