日本教育史学会

日本教育史学会は1941年から毎月の例会を開始し、石川謙賞の授与と日本教育史学会紀要の刊行を行う、日本の教育の歴史についての学会です。

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2017年5月27日(土) 第612回例会:金馬国晴氏【プログラム・ノート】

2017年5月27日(土) 第612回例会:金馬国晴氏【プログラム・ノート】

日時:2017月5月27日(土曜日)午後3時から5時

会場:立教大学 池袋キャンパス 12号館2階 会議室
   〒171-8501 東京都豊島区西池袋3-34-1

アクセス:「池袋駅」下車 西口より徒歩約7分

プログラム:戦後初期コア・カリキュラムの実態と意義の再検討―カリキュラム冊子とインタビューを手がかりに―
金馬 国晴 氏(横浜国立大学)

【プログラム・ノート】
 このたびの報告では、戦後初期に各小学校で盛んに作成されたといわれるコア・カリキュラムの実態と、当時および今日における意義を明らかにしたいと思います。修士時代から20年間進めてきた研究です。
 コア・カリキュラムは戦後新教育の一系譜であり、当時の学習指導要領が示した生活単元学習、川口プランや本郷プランで知られる地域教育計画とは別の系譜と捉えられてきました。しかし、先行するその認識がまず、実態を示していないと思ってきました。いくつかの学校のカリキュラムに即して見ると、三つあるいは二つが重なっていることが多く、コア・カリキュラムはこれらの集大成というべき総合的なものであったと考えます。
 その意義を明らかにするためには、カリキュラムの理論から考えるべきでないと思い至りました。そこで私は、戦後初期の各小・中学校において、かなり多くの現場教師たちが大学教員の助言も求めつつ、独自に論議して自校のカリキュラムを構築していたこと、それを研究紀要、カリキュラム冊子、学習指導案集などに表現し、盛んに公開授業や研究集会を開いていたことなどに注目し、そうした現場の視野から、コア・カリキュラムという対象を捉え直すべきことを主張してきました。すでにその種の冊子類を1000冊以上収集しており、それらを史料としていかに活用すべきか、当時の雑誌記事・書籍などをいかに援用できるか、について論議させていただきたいと思います。
 さらに、コア・カリキュラムの冊子類を読解するにあたり、それらの文字史料を超える情報や視点が必要となりました。そこで、当時の教師たち(現在80代前後の元教師)に対するインタビューを進めてきました。合計50名以上(座談会として進めたこともあるので35件以上)のインタビュー記録を蓄積できていますが、上記の冊子類や雑誌記事といった史料と読み合わせるならば、いかなる事実が浮かび上がり、どんな新しい解釈が可能となるかについて、皆さんと議論していきたいと思います。
 以下のプロフィールに示した通り、私は教育史学者というよりも教育学者、とくにカリキュラム論者というべき者で、カリキュラム学会、教育方法学会、質的心理学会、オーラルヒストリー学会などで活動してきました。分野を兼ねることにより、史料整理や史料批判が不十分になりがちですが、ご遠慮なく厳しいご意見を頂きたく思います。
〔金馬 国晴氏 記〕

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