日時:2015月3月28日(土曜日)午後4時から6時
会場:謙 堂 文 庫 「池袋駅」「目白駅」下車 徒歩約7分
〒171-0021 東京都豊島区西池袋2-21-15
プログラム:学生文化としての「東京六大学野球」への研究視角-「野球統制令」(1932年)の周辺を中心に-
前田 一男 氏(立教大学野球部長)
【プログラム・ノート】
東京六大学野球連盟は、早稲田・慶應義塾・明治・法政・立教・東京の6つの大学で構成される野球リーグで、1925年9月20日の明大対立大第1回戦が連盟創設初試合として始まった。その歴史は今年でちょうど90年に及び、日本で最も伝統ある連盟であり、リーグ戦である。その起源は、1903年に行われた第1回の早慶戦の対抗戦に始まる。それ以降の野球人気の普及は、東京六大学野球とともに進行したといっても過言ではなく、野球は高等教育の学生文化の一つとして定着していくことになった。
しかし、異常なまでの野球人気と満州事変以後の思想対策の流れのなかで、1932年には「野球統制令」が発布され、文部省が学生野球に介入するようになる。自治組織のなかった学生野球界は文部省の意向を受け入れざるを得ず、さらに1943年には第二世界大戦の影響により試合禁止を命ぜられ、東京六大学野球連盟も解散させられることになった。
本報告では、野球というスポーツの日本の高等教育への導入過程での諸問題、また戦前における東京六大学連盟の成立、隆盛、解散を通じて、どのような研究視角が成り立つのかを、学生文化の文脈から仮説的に問題提起しようとするものである。特に今回は、転機となった「野球統制令」の周辺に焦点をあてて考察する。
〔前田一男氏 記〕