日本教育史学会

日本教育史学会は1941年から毎月の例会を開始し、石川謙賞の授与と日本教育史学会紀要の刊行を行う、日本の教育の歴史についての学会です。

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11月26日第655回例会 大矢一人氏の研究発表 プログラムノート

11月26日第655回例会 大矢一人氏の研究発表 プログラムノート

*日 時:2022年11月26日(土曜日) 午後3時~5時 (オンラインで実施)
*参加事前登録の締め切り:2022年11月23日(水曜日) 午後11時59分

*プログラム:
☆「軍政レポート」の研究 大矢 一人氏
司 会 大島 宏氏

【プログラム・ノート】
 筆者は、大学院時代に占領下の地域における教育改革史研究の勉強をはじめた。その時に使った資料の一つに「軍政レポート」がある。ここで言う「軍政レポート」とは、日本が占領されていた時期(1945 年8 月~1952 年4月 ただし「軍政レポート」自体、すべての時期にあるわけでない)に、日本各地の軍政組織(地方および府県レベルを今回は中心とする)が、上級機関(主に第八軍)に各組織の活動状況を定期的(多くは一月ごとに、半月のものも少し残っており、占領初期の場合には、日報もあり)に報告したものである。占領初期から末期まで、体裁などはかわるが、一貫して報告された。もちろん府県によって残存状況は少し違うが…。なお、「軍政レポート」は、「軍政施行報告書」「活動報告書」「活動報告」「月例活動報告」といった言い方もする。
 「軍政レポート」はもともとアメリカ国立公文書館別館に所蔵されていたが、1980 年代に国立国会図書館でいわゆるGHQ/SCAP 文書をマイクロフィルム化して、憲政資料室で公開された。その後2000 年代に科研費によってGHQ
/USAFPAC 文書が複写され、さらに憲政資料室に提供されて、「占領期都道府県軍政資料」(全156 巻?)としてまとめられている。
 このような「軍政レポート」はどうやって使えばよいのか、構成・体裁はどうなっているのか、そして、「軍政レポート」を使用した先行研究にはどういうものがあるのか、日本語に訳されているものはどれくらいあるのか、などを話したいと考えている。そのうえで、「軍政レポート」によって見えてくるもの、一方で見えないものについても報告する。
専門外の方が多いのかもしれませんが、自治体史で戦後編を執筆する可能性がある方もいらっしゃると思います。その方々には、ぜひとも「軍政レポート」を一つの資料として使ってもらいたいと考えます。私は、『北海道現代史』の編さん協力委員を仰せつかっており、占領期の教育改革を担当・執筆することになっていますが、資料編において、事務局より「軍政レポート」を掲載してほしいと依頼されました。このようなことが起こるかもしれません。
「軍政レポート」の使い方を少しでもお話しできたら、と思います
               〔大矢一人氏 記〕

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